医療政策

【医療政策】2021年度骨太の方針の医療関連項目抜粋

6月18日に閣議決定された、2021年度の「経済財政運営と改革の基本方針」(骨太の方針)の中から、医療に関連する記述を抜粋します。

■社会保障費の歳出方針

・基盤強化期間においてその実質的な増加を高齢化による増加分に相当する伸びにおさめることを目指す方針とされていること、経済・物価動向等を踏まえ、その方針を継続する。

■感染症対策

・感染症患者を受け入れる医療機関に対し、減収への対応を含めた経営上の支援や病床確保・設備整備等のための支援について、診療報酬や補助金・交付金による今後の対応の在り方を検討し、引き続き実施する。
・症状に応じた感染症患者の受入医療機関の選定、感染症対応とそれ以外の医療の地域における役割分担の明確化、医療専門職人材の確保・集約などについて、できるだけ早期に対応する。

マイナンバーカード

・2022 年度末にほぼ全国民にマイナンバーカードが行き渡ることを目指すとの方針の下普及に取り組む。マイナンバーカードの健康保険証、運転免許証との一体化などの利活用拡大、スマホへの搭載等について、国民の利便性を高める取組を推進する。

■少子化対策

・不妊治療への保険適用
・出産費用の実態を踏まえた出産育児一時金の増額に向けた検討

■地域医療構想

・今般の感染症対応の検証や救急医療・高度医療の確保の観点も踏まえつつ、地域医療連携推進法人制度の活用等による病院の連携強化や機能強化・集約化の促進などを通じた将来の医療需要に沿った病床機能の分化・連携などにより地域医療構想を推進する。

■医療制度

・かかりつけ医機能の強化・普及等による医療機関の機能分化・連携の推進
・更なる包括払いの在り方の検討も含めた医療提供体制の改革につながる診療報酬の見直し
・診療所も含む外来機能の明確化・分化の推進
・実効的なタスク・シフティング
・オンライン診療を幅広く適正に活用するため、初診からの実施は原則かかりつけ医によるとしつつ、事前に患者の状態が把握できる場合にも認める方向で具体案を検討する。
・現在限られたがん種において保険適用とされている粒子線治療の推進については、有効性・安全性などのエビデンスを踏まえた検討を進めるとともに、装置の小型化・低コスト化の潮流を踏まえ、病院の特徴や規模など、地域の状況に十分配慮した上で、診療の質や患者のアクセスの向上を図るため、具体的な対応策を検討する。
・がん、循環器病及び腎臓病について、感染拡大による診療や受療行動の変化の実態を把握するとともに、健診・検診の受診控え等に関する調査の結果を踏まえ、新しい生活様式に対応した予防・重症化予防・健康づくりを検討する。
・症状が安定している患者について、医師及び薬剤師の適切な連携により、医療機関に行かずとも、一定期間内に処方箋を反復利用できる方策を検討し、患者の通院負担を軽減する。

■調剤・医薬品

・革新的な医薬品におけるイノベーションの評価の観点及びそれ以外の長期収載品等の医薬品について評価の適正化を行う観点から薬価算定基準の見直しを透明性・予見性の確保にも留意しつつ図る
・OTC類似医薬品等の既収載の医薬品の保険給付範囲について引き続き見直しを図る。
・後発医薬品の品質及び安定供給の信頼性の確保、新目標についての検証
・保険者の適正化の取組にも資する医療機関等の別の使用割合を含む実施状況の見える化を早期に実施し、バイオシミラーの医療費適正化効果を踏まえた目標設定の検討、新目標との関係を踏まえた後発医薬品調剤体制加算等の見直しの検討、フォーミュラリの活用等、更なる使用促進を図る
・かかりつけ薬剤師・薬局の普及を進めるとともに、多剤・重複投薬への取組を強化する。

歯科

・全身との関連性を含む口腔の健康の重要性に係るエビデンスの国民への適切な情報提供、生涯を通じた切れ目のない歯科健診、オーラルフレイル対策・疾病の重症化予防にもつながる歯科医師、歯科衛生士による歯科口腔保健の充実、歯科医療専門職間、医科歯科、介護、障害福祉機関等との連携を推進し、歯科衛生士・歯科技工士の人材確保、飛沫感染等の防止を含め歯科保健医療提供体制の構築と強化に取り組む。今後、要介護高齢者等の受診困難者の増加を視野に入れた歯科におけるICTの活用を推進する。

■社会保障制度

・全世代対応型の持続可能な社会保障制度を構築する観点から、給付と負担のバランスや現役世代の負担上昇の抑制を図りつつ、保険料賦課限度額の引上げなど能力に応じた負担の在り方なども含め、医療、介護、年金、少子化対策を始めとする社会保障全般の総合的な検討を進める。こうした対応について速やかに着手する。
・都道府県計画において「医療の効率的な提供の推進」に係る目標及び「病床の機能の分化及び連携の推進」を必須事項とするとともに、都道府県国保運営方針においても「医療費適正化の取組に関する事項」を必須事項とすることにより、医療費適正化を推進する。
・中長期的課題として、都道府県のガバナンスを強化する観点から、現在広域連合による事務処理が行われている後期高齢者医療制度の在り方、生活保護受給者の国保及び後期高齢者医療制度への加入を含めた医療扶助の在り方の検討を深める。

■その他

・希少疾病である難病の対策を充実する。
・医療・特定健診等の情報を全国の医療機関等で確認できる仕組みや民間PHRサービスの利活用も含めた自身で閲覧・活用できる仕組みについて、2022 年度までに、集中的な取組を進めることや、医療機関・介護事業所における情報共有とそのための電子カルテ情報や介護情報の標準化の推進、医療情報の保護と利活用に関する法制度の在り方の検討、画像・検査情報、介護情報を含めた自身の保健医療情報を閲覧できる仕組みの整備、科学的介護・栄養の取組の推進、今般の感染症の自宅療養者に確実に医療が全員に提供されるよう医療情報を保健所と医療機関等の間で共有する仕組みの構築(必要な法改正を含め検討)
・審査支払機関改革の着実な推進など、データヘルス改革に関する工程表に則り、改革を着実に推進する。
・審査支払機関の業務運営の基本理念や目的等へ医療費適正化を明記する。
・感染症による不安やうつ等も含めたメンタルヘルスへの対応を推進する。

原本はこちらです。

404 Not Found - 内閣府
404 Not Found :指定されたページまたはファイルは存&#...

医療費を高齢化に伴う自然増で抑えるということは、来年度の診療報酬改定にはあまり期待できなさそうですね。

この骨太の方針で示された内容を元に、各省庁において政策を検討・推進していくことになります。
中には診療報酬の検討に直ちに反映されそうなテーマもいくつかあるので、7月から中医協で始まる診療報酬改定の検討を注意深くウォッチしていきたいと思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました